暗所でもノイズが少なく、ストロボっぽくない写真

高感度になればなるほど、ノイズが多くなり写真があれるのは多かれ少なかれ銀塩もデジタルも同じ。しかしデジタルはちょっといじるとノイズを目立たなくさせる事が出来る。いくつか挙げるとノイズリダクションの為のソフトを使う事がひとつ。ディティールの損失を最小限に抑えたノイズ低減が期待出来る。もうひとつは加算合成などの合成。天体写真などではおなじみの手法だ。複数のカットが必要かつ静物に限られてしまうが、ノイズ低減だけでなく、ディティールのアップも期待出来る。
もうひとつの方法は今のところメジャーな方法ではない。誰か既にやっている人もいるかと思うが、去年(2008年)に自分が思いついた時には自分の知る限りでは誰もいない。ストロボ有りと無しの最低2枚の写真が必要。
人の目は輝度の解像には敏感だが、色の解像には鈍感ということをどこかで聞き、それをヒントに思いついた方法。簡単に言うと、低感度でストロボを焚いた写真を、高感度で撮影した写真に、Photoshopの描画モード輝度で合成させると、ノイズを含めた輪郭などの輝度情報はストロボを焚いた写真から‥ストロボ無しで撮った写真からは色情報が合成される。使える条件が限られてしまうが、ちょっと面白い効果なので紹介します。

左がストロボあり〜感度iso400。右がストロボなし〜感度iso3200。共にf6.3。

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この2枚の写真をPhotoshopでレイヤーとして開き、ストロボを焚いた方を描画モード「輝度」で合成させる。レイヤーの順序が逆の場合では、描画モード「カラー」でブレンド。この時「%」を調整すると好みのブレンドが出来ます。また手持ちで位置がズレている場合は、最近のPhotoshopならば「レイヤーの自動整列」で合わせます。RAWからならばホワイトバランスは2枚とも同じに…JPEGならば撮影時に固定しておいた方が、合成時のトーンジャンプが少なくなります。(作例はホワイトバランス合わせ忘れました…。)


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場合によって彩度やトーンを調整して完成

この手法、ストロボの強さのコントロールを後処理で出来るといった効果もあります。
また静物だけかと思いきや、少し動いてるくらいなら連射で可能です。ストロボを焚いた写真を2枚以上合成しなければ、後は鈍感な色情報のレイヤーなので、多少動いていても分からないからです。
高感度撮影によって生じた色ノイズも消したい場合は、2枚以上のストロボ無しの写真を加算合成して消していきます。これも色情報のみなので、多少動いていてもOK。

実際の撮影方法
低感度+ストロボで1枚。高感度で1枚。計2枚撮るだけです。
ニコンの場合は(ていうかニコンしか知らない)isoオートが非常に使えます。
まず感度をセット。ストロボ撮影時は、その感度になります。そしてisoオートをセット。手振れしない程度の最低シャッタースピードを維持し、高感度側のリミッタは無しで最高感度でもいいですし、そこまで必要なければリミッタをかければいいです。
あと、カスタムファンクションでファンクションキーなどにストロボ発光停止が割り当てられる機種ならば、セットしておくと便利です。連射中にボタンを押して、ストロボ焚いた写真と焚かない写真が簡単に得られます。ていうかどこかのコンパクトデジタルカメラみたいに1回のシャッターで有り無しの2枚得られればいいのにと思う。